Novel

言葉にならない、という表現がこれほどしっくりくる映画はないと感じた。三者三様の美しくも異様な演技と、鮮烈な映像が脳裏に焼きついて、時間が経った今も頭から離れない。青春時代とは、恋愛とはなにか。そして、葉山先生とはなんだったのか。そんな問いかけがずっと胸の中でくり返されている。十年後も間違いなく思い出す映画である。あれはなんだったのか、という強烈な記憶と共に。 島本理生

原作「ナラタージュ」(角川文庫)

島本理生が20歳の時に書き下ろし、角川書店より発刊。島本は、この作品を書き上げる際に、書き直しをし続け腱鞘炎になったとのエピソードがある。発表されるや否や、瞬く間に話題となり、「本の雑誌」が選ぶ2005上半期第1位、2006年「本屋大賞」第6位、2006年版「この恋愛小説がすごい!」第1位に輝き、第18回山本周五郎賞候補にも選ばれる。発売から12年たった今も、恋愛小説のマスターピースとして、読んだ人の心に残り続けるとともに、新たなファンを増やし続けている。

原作者:島本理生 Rio Shimamoto

1983年生まれ、東京都出身。98年、「ヨル」で「鳩よ!」掌編小説コンクール第二期10月号当選(年間MVP受賞)。高校在学中の2001年に「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年、第128回芥川賞候補となった『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を同賞史上最年少受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。芥川賞候補となった『生まれる森』(04)、『大きな熊が来る前に、おやすみ。』(07)、『夏の裁断』(15)、直木賞候補となった『アンダスタンド・メイビー』(10)のほか、『クローバー』(07)、『波打ち際の蛍』(08)、『あられもない祈り』(10)、『よだかの片想い』(13)、『イノセント』(16)、『私たちは銀のフォークと薬を手にして』(17)などの著書がある。